VSR-ONEをチューンしてみよう!
今回の記事は前回の記事(VSR-10 G-SPECをチューンしてみよう。)の姉妹記事です。
よかったらこちらも参考にしてください!
前回同様に、箱だし状態(以下、純正と呼ぶ)を基準として数値計算上で机上チューンをして検討していきます。各パラメータとピストンの動きに注目していきたいですね!
先に言っておくと、自分でもやってて難しくてわからなくなるので参考程度にお願いします。
まとめ
VSR-ONEは標準で加速ポートがついているので、スプリングをG-SPEC相当にするだけでインドアでは十分な初速が出せる!
やったこと
1.スプリングを変えたシミュレーション
2.加速ポートを広げて、スプリングを変えたシミュレーション
3.インナーバレルの内径を変えたシミュレーション
VSR-ONEについて
東京マルイが発売したVSR-10シリーズをモダナイズドしたものです。
M4グリップと、ストックが取り付けられています。
インナーバレル長は200mmです。
スプリングはG-SPECより弱いスプリングが使われています。
今回はG-SPECの90%のばね定数として計算しました。
私が普段使っているボルトアクションはVSRベースで、アウターバレルがG-SPEC、インナーバレルはこれをつかっています。
インナーバレルとかは初速の微調整にしかならないんですが、VSRを長く使うならシアーは変えたほうがいいです。
ここだけ変えておけば問題ないです。
箱出し純正の仕様を確認しよう
純正の仕様についてシミュレーションしてみましょう。
0.2g、0.25g,0.28g,0.45gとして計算条件としてみました。ホップはちょい強めくらいだと思います。
インドアで使うには強すぎくらい。(メモ:kb=3)
なお、シミュレーションの都合上、ピストンの突起を考慮していません。
計算結果
表1.BB弾の重さごとの初速とエネルギー
BB弾の重さ[g] | 初速[m/s] | エネルギー[J] |
0.20 | 85.2 | 0.73 |
0.25 | 78.1 | 0.76 |
0.28 | 74.4 | 0.78 |
0.45 | 58.5 | 0.77 |
図1.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.20g]
図2.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.25g]
図3.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.28g]
図4.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.45g]
表の見方
赤線がBB弾の弾速(左の縦軸)
青線がピストンの前進速度(右の縦軸)
横軸は共通で時間
図1.運動速度を例にして見てみましょう。
赤線はBB弾の弾速なので左側の縦軸で
時間0[msec]のとき弾速は0[m/s]
青線はピストンの前進速度なので右側の縦軸で
時間0[msec]のとき弾速は0[m/s]
時間ごとに弾速を追っていくと、
7.0[msec]で弾がパッキンから離れて、バレル内で加速、11.4[msec]で発射されています。
G-SPECでは、6.0[msec]で弾がパッキンから離れて、バレル内で加速、11.3[msec]で発射されていました。
スプリングがG-SPECに比べて弱くなったので抜弾に必要な圧力に達するまで1.0[msec]多くかかっていますね。
一方で、インナーバレルが303[mm]から200[mm]まで短くなっているので抜弾から発射までにかかる時間は5.3[msec]から4.4[msec]と短くなっています。
ピストン前進速度は、
0[msec]から加速をして、6[msec]あたりで最大速度を取って以降は加減速をして27.8[msec]でピストンが最前進位置(シリンダーヘッドに衝突)にいます。
考察
ピストンの最前進時のタイミングについて
G-SPECのときと同様に、すべての条件で、弾が射出された後に、大きく遅れてピストンが最前進位置にきていますね。
ここまでタイミングずれていると、エア量が余っているとみていいと思います。(G-SPECの記事そのままですね笑)
VSR-ONEにいろいろな強さのスプリングを入れてみよう
今までのシミュレーションでは、DCI Gunsのスプリングの記載を参考にスプリングのばね定数(ばねの強さ)をG-SPECの90%として計算してきました。
加速ポートのついているONEのシリンダー、インナーバレルは内径は6.08mm,長さ200mm
ホップはインドアを想定して、先ほどの解析より弱めに設定しました。(メモ:kb=1)
計算結果
表2.2種類のスプリングによるVSR-ONEの初速とエネルギー(弱ホップ時)
スプリングの種類 | 初速[m/s] | エネルギー[J] |
ONE(G-SPECに対して90%) | 81.3 | 0.66 |
G-SPEC | 85.5 | 0.73 |
105%(G-SPECに対して) | 87.5 | 0.77 |
110%(G-SPECに対して) | 89.5 | 0.80 |
となりました。実測値でONE純正状態で80m/sくらいだったと記憶しているのでだいたいあっていますね。
スプリングやセッティングを変えるときは必ず弾速計でチェックしましょうね!
カスタムする人で弾速計もってない人とはお友達になれないよ!!!
さて、このときの弾の動きとピストンの動きをみていきましょう。
図5.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.2g、弱ホップ]
赤のBB弾の速度が一定=発射(11[msec])なので、発射されてから16[msec]経ってからピストンはシリンダーヘッドに衝突していますね。
かなりエアが余っていることがわかります。
VSR-ONEの加速ポートが約20mmですが(G-SPECは0mm)まだ余っているようです。
ちょっと広げて再度シミュレーションしてみましょう。
加速ポートを広げて再度、いろいろなスプリングを入れてみよう
計算結果
一番高圧縮になる、110%スプリング基準で加速ポートの長さを決めてみました。
最適値は、32mm(ONE純正は20mm)となりました。
表3.4種類のスプリングによるVSR-ONEの初速とエネルギー(弱ホップ時、0.2g)
スプリングの種類 | 初速[m/s] | エネルギー[J] |
ONE | 83.9 | 0.70 |
G-SPEC | 88.0 | 0.77 |
105%(G-SPECに対して) | 90.0 | 0.81 |
110%(G-SPECに対して) | 92.0 | 0.85 |
前回の記事も読んでくれた方はわかるともいますが、加速ポートの影響は大きいですね。
次はインナーバレルの影響についてシミュレーションしてみたいと思います。
いろいろな内径のインナーバレルを入れてみよう
“VSR-10 インナーバレル”、で検索するとたくさんの商品がでてきますね。
今回は、内径6.01,6.03,6.05,6.08とメジャーな4種類のインナーバレルでシミュレーションしていきたいと思います。
計算結果
表4.4種類のインナーバレル内径によるVSR-ONEの初速とエネルギー(弱ホップ時、0.2g)
インナーバレルの内径[mm] | 初速[m/s] | エネルギー[J] |
6.01 | 84.3 | 0.71 |
6.03 | 83.4 | 0.70 |
6.04 | 83.0 | 0.69 |
6.08(純正内径) | 81.3 | 0.66 |
こんな感じになりました。(あくまでもシミュレーションです。ちょっと高めな印象があります。)
ざっくり、内径を0.01mm狭めると初速は0.5m/s上がるイメージなんですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
繰り返しになりますが、カスタムをしたら必ず!弾速計で初速を計測しましょう!
本ページの解析結果には、のびたではなく友人が作成したプログラムを使用しています。
私はこんなすごいプログラムかけません!
ご協力いただいた友人に感謝です!!!!!
筆者について
筆者 のびた
3DPなどを使って創作活動をしています。
BASEで販売をしています。
ツイッターはこちら
コメント