VSR-10 G-SPECをチューンしてみよう。その2【重量弾、重量ピストンチューン編】

エアソフトガンの考察

VSR-10 G-SPECをチューンしてみよう!その2です!

今回は、箱だし状態を基準として、重量弾を飛ばすセッティングで机上チューンをして検討をしていきます。

また、毎度のことながら、自分でもやってて難しくてわからなくなるので参考程度にお願いします。

まとめ

前の記事、VSR-10 G-SPECをチューンしてみよう。と、VSR-ONEをチューンしてみよう。も参考にして読み進めてください!

・重量弾で、強ホップを使うなら、重量ピストンを使った方が良い。

・重量弾でも、ピストンの最前進位置に達するタイミングと発射のタイミングが重要。

・意外にも、軽量ピストンのほうが重量ピストンよりもシリンダー内(インナーバレル内)は高圧状態。

VSR-10 G-SPECについて(前回と今回の想定BB弾)

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私がよく的当てで使うBLS 0.45g弾です。前の記事の実機比較で使用したので一応紹介です。

ここから先は、東京マルイがチューンした設定をぶち壊して、特定のシチュエーションに特化させるチューニングを考えていきます。

箱出し純正の仕様を確認しよう(前回の記事から抜粋)

計算条件【ホップ普通】

純正の仕様についてシミュレーションしてみましょう。

0.2g、0.45gとして計算条件としてみました。(メモ:kb=3)

なお、シミュレーションの都合上、ピストンの突起を考慮していません。

計算結果【ホップ普通】

表1.BB弾の重さごとの初速とエネルギー【ホップ普通】

BB弾の重さ[g]初速[m/s]エネルギー[J]
0.2091.60.84
0.4562.30.87

図1.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.20g、ホップ普通]

図2.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.45g、ホップ普通]

表の見方

赤線がBB弾の弾速(左の縦軸)

青線がピストンの前進速度(右の縦軸)

横軸は共通で時間

図2.運動速度[BB弾重量0.45g、ホップ普通]を例にして見てみましょう。

赤線はBB弾の弾速なので左側の縦軸で

時間0[msec]のとき弾速は0[m/s]

青線はピストンの前進速度なので右側の縦軸で

時間0[msec]のとき弾速は0[m/s]

時間ごとに弾速を追っていくと、

6.0[msec]で弾がパッキンから離れて、バレル内で加速、14[msec]で発射されています。

一方、ピストン前進速度は、

0[msec]から加速をして、5.5[msec]あたりで最大速度を取って以降は加減速をして26.8[msec]でピストンが最前進位置(シリンダーヘッドに衝突)にいます。

図3.インナーバレル内の圧力[BB弾重量0.45g、ホップ普通]

また、インナーバレル内の圧力の赤線は常に正の値を取っていました。

計算条件【ホップ強め】

純正の仕様についてシミュレーションしてみましょう。

0.2g、0.45gとして計算条件としてみました。(メモ:kb=5)

なお、シミュレーションの都合上、ピストンの突起を考慮していません。

インドア0.2g仕様の弱ホップの5倍の摩擦力でホップをかけています。

現実の回転数と剥離があるかもしれませんがご容赦ください。

計算結果【ホップ強め】

表2.BB弾の重さごとの初速とエネルギー【ホップ強め】

BB弾の重さ[g]初速[m/s]エネルギー[J]
0.2088.10.78(7%減少)
0.4557.50.74(15%減少)

図4.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.20g、ホップ強め]

図5.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.45g、ホップ強め]

考察

てっきり、BB弾発射タイミングとピストン最前進位置のタイミングが大きくずれている(エア量が多い)状態なので初速が上がると思っていたのですが、結果は逆になってしまいました。

上記2つのタイミングについて考えてみましょう。

一番わかりやすかったのが図5(0.45g、ホップ強め)です。

初速の赤線が上昇して、下降してから発射されています。

これは初速がインナーバレル内で減速している状態です。

今までは、エアが足りない状態で減速すると思っていたんですがこれは考えを改めたほうがよさそうです。

この時に、ピストンはどういう状態かというと

ピストンの前進速度の青線は、9.6[msec]から負の値を取っています。つまり、ピストンが後退しています。

こうなると、当然インナーバレル内も低圧になり、BB弾の弾速も低下してしまいます。

表にまとめてみました。

表3.イベント経過時刻

ホップの強さ抜弾発射ピストン転換
普通[0.45g]6.013.59.8
強め[0.2g]6.211.89.8
強め[0.45g]6.214.39.6

こうするとわかりやすいですね。

抜弾、発射の後にピストン転換があれば初速は下がらず発射。

抜弾、ピストンの運動方向が転換の後に発射されると初速は下がる。

ただし、ピストンの運動が転換されていても、インナーバレル内の圧力が負でなければBB弾は加速する。

ホップ強め、弾は0.45gのときのインナーバレル内の圧力を見てみましょう。

図6.シリンダーとインナーバレルの内圧[BB弾重量0.45g、ホップ強め]

詳細は省きますが、赤色がインナーバレル内の圧力が14.5[msec]付近で、100[kPa]より下がっていることがわかります。(インナーバレル内の圧力が、BB弾を吸い込む負の圧力となっている。)

やはり、発射のタイミングとピストンの最前進位置に到達するタイミングが重要ですね。

重量ピストンを使ってみよう。

重量弾を、強ホップ&重量ピストンで発射してみましょう。

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想定はDCI gunsのピストン。重量は100gとしてみました。

計算条件

BB弾の重量:0.45[g]

ピストン重量:100[g](純正は19[g])

インナーバレル:303[mm]、内径6.08[mm]

ホップは強め(メモ:kb=5)

計算結果

表4.ピストンの重さごとの初速とエネルギー【ホップ強め】

ピストンの重さ[g]初速[m/s]エネルギー[J]
19(純正想定)57.50.74
10064.90.95

図7.運動速度 BB弾の弾速:赤とピストンの前進速度:青[BB弾重量0.45g、ホップ強、重ピストン]

図8.シリンダーとインナーバレルの内圧[BB弾重量0.45g、ホップ強め、重量ピストン]

初速が大幅に上がりましたね!

ピストンは動きがゆっくりすぎて解析時間の40[msec]を超えてしまいました。

しかし、図7からシリンダー内は解析範囲内では常に正の値を取り続けていますね。

つまり、ピストンは前進し続けています。

また、図8の圧力のグラフを見ると、赤線のインナーバレル内の圧力は常にプラス

図6と図8について、圧力の値を見てみましょう。

軽量ピストンのほうが重量ピストンよりもインナーバレル内の圧力は高圧ということがわかりました。

てっきり、重量ピストンの慣性力で高圧になるかと思っていたのですが予想外の結果です。

図7.を見ると発射タイミングがピストン速度0に近いですね。

ピストンはまだ運動途中で最前進位置の近傍ではありませんが、ピストンの持つ速度(運動エネルギー)が0に近いので先ほどより初速効率が良さそうです。

疑問等ありましたらコメントかDMを頂ければと思います。

随時修正します。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

本ページの解析結果には、のびたではなく友人が作成したプログラムを使用しています。

私はこんなすごいプログラムかけません!

ご協力いただいた友人に感謝です!!!!!

筆者について

筆者 のびた

3DPなどを使って創作活動をしています。

BASEで販売をしています。

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